「増え続ける紙の書類で、オフィスの保管スペースが限界…」
「過去の契約書を探すのに半日もかかってしまった」
「紙の保管コスト、計算してみたら想像以上に高かった…」
こうした紙の書類の保管に関する悩みは、多くの企業が抱える共通の課題です。長年の慣習で続けてきた紙ベースの管理が、気づかぬうちに業務の足かせとなり、コストを圧迫しているケースは少なくありません。
もし、これらの課題を放置し続けると、コストの増大はもちろん、情報漏洩や災害による書類紛失、さらには法改正への対応遅れといった、より深刻なリスクに直面する可能性があります。
この状況を打開する鍵こそが「紙のデジタル化保管」です。本記事では、従来の紙の保管方法とデジタル化による保管方法を、コストと法律という2つの重要な観点から徹底的に比較・解説します。自社にとって最適な書類保管の形を見つけるための、確かな指針となるはずです。ぜひ最後までお読みください。
Contents
【徹底比較】紙の保管 vs デジタル化保管 メリット・デメリット一覧

まずはじめに、「紙のまま保管する場合」と「デジタル化して保管する場合」のメリット・デメリットを比較してみましょう。それぞれの特徴を一覧で把握することで、自社の状況と照らし合わせやすくなります。
比較項目 | 紙の保管 | デジタル化保管 |
---|---|---|
コスト | 印刷代、用紙代、保管スペース代、郵送費、廃棄費など継続的に発生。人件費(検索・整理)も大きい。 | 初期にスキャン費用やシステム導入費がかかるが、ランニングコストは大幅に削減可能。 |
保管スペース | キャビネットや倉庫など、物理的なスペースが大量に必要。年々増加する。 | 物理的なスペースは不要。サーバーやクラウド上に集約できる。 |
検索性 | 目視での確認が基本。ファイリングルールが徹底されていないと、探し出すのに多大な時間がかかる。 | キーワードや日付、取引先名などで瞬時に検索可能。業務効率が劇的に向上する。 |
共有・活用 | 1つの書類を複数人で同時に見ることが困難。テレワークでの閲覧は原則不可。 | 時間や場所を問わず、複数人が同時にアクセス可能。情報共有が迅速化し、テレワークにも完全対応。 |
セキュリティ | 盗難、紛失、不正な持ち出し、災害による消失のリスクが高い。劣化も避けられない。 | アクセス権限設定、操作ログ管理、暗号化で情報漏洩リスクを低減。バックアップで災害対策も万全。 |
法律(法対応) | 原本の保管・管理が煩雑。法改正への対応(例:電帳法)に手間がかかる。 | 電帳法に対応したシステムを使えば、法要件を効率的に遵守可能。監査対応もスムーズ。 |
このように比較すると、初期投資や運用ルールの策定といった手間はあるものの、長期的に見ればデジタル化保管が多くの面で優れていることが分かります。特に、コスト削減、業務効率化、セキュリティ強化といったメリットは、企業経営に直接的なインパクトを与えます。
見過ごせない!「紙の保管」が抱えるコストの課題

「うちは外部倉庫を借りていないから、保管コストはかかっていない」と考えるのは早計です。紙の保管には、目に見えるコストと見えにくいコストの両方が存在します。
① 直接コスト(目に見える費用)
これらは経費として計上される、比較的把握しやすいコストです。
- 消耗品・印刷費:コピー用紙、帳票、インク・トナー、プリンターのリース・カウンター料金
- 備品費:ファイル、バインダー、キャビネット、棚
- スペース代:オフィス内の書庫スペースの賃料相当額、外部保管倉庫の利用料
- 郵送・運搬費:請求書や契約書の郵送費、拠点間の書類運搬費
- 廃棄費用:保管期間を過ぎた書類の溶解処理などの委託費用
一つひとつは少額でも、全社で年間を通せば数百万、数千万円単位になることも珍しくありません。デジタル化は、これらの直接コストを劇的に削減するポテンシャルを秘めています。
② 間接コスト(見えない人件費)
より深刻なのが、普段あまり意識されない間接コスト、すなわち「人件費」です。社員の貴重な時間が、実は以下のような非生産的な作業に費やされています。
- 探す時間:「あの書類どこだっけ?」とキャビネットや倉庫を探し回る時間。
- 整理・ファイリングする時間:日々発生する書類をルールに従って整理・保管する時間。
- 移動・待機する時間:承認印をもらうために上司の席に行ったり、不在で待機したりする時間。
- 入力する時間:紙の伝票を見ながらシステムに手入力する時間。
- 共有のための時間:書類をコピーして関係者に配布する時間。
例えば、ある社員が1日に15分だけ書類探しに時間を使っていると仮定します。月20日勤務だと、月間で300分(5時間)。もしこの社員の時給が2,500円なら、年間で15万円もの人件費が「書類探し」という行為だけで失われている計算になります。全社員で考えれば、その損失は計り知れません。
紙のデジタル化保管は、こうした見えないコストを可視化し、根本から削減するための最も効果的な手段なのです。
避けては通れない!「紙とデジタル化」における法律の課題

書類の保管方法を考える上で、絶対に無視できないのが法律の存在です。特に近年、デジタル化に関連する法改正が進んでおり、正しい知識を持つことが不可欠です。
紙の書類に定められた保管義務
企業が作成・受領する書類の多くは、会社法や法人税法などの法律によって一定期間の保管が義務付けられています。これを知らずに破棄してしまうと、罰則の対象となる可能性があります。
- 10年保管:計算書類(貸借対照表、損益計算書など)、事業に関する重要書類(株主総会議事録など)
- 7年保管:帳簿書類(総勘定元帳、仕訳帳など)、取引に関する書類(契約書、請求書、領収書など)
- 5年保管:従業員の身元保証書、産業廃棄物管理票(マニフェスト)の写しなど
これらの書類を紙で保管し続ける場合、7年、10年と増え続ける書類のために、常に保管スペースを確保し続けなければならないという課題があります。
デジタル化保管の鍵を握る「電子帳簿保存法(電帳法)」
こうした紙の保管の課題を解決するために、国が推進しているのが電子帳簿保存法(電帳法)です。この法律は、国税関係の帳簿や書類を、一定の要件を満たした上で電子データとして保存することを認めるものです。
電子帳簿保存法は、情報化社会に対応し、国税の納税義務の適正な履行を確保しつつ納税者等の国税関係帳簿書類の保存に係る負担を軽減する等のため、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例を定める法律です。
(国税庁ウェブサイトより引用)
電帳法は大きく3つの区分に分かれており、特に「スキャナ保存」と「電子取引」が紙のデジタル化保管に深く関わります。
- 電子帳簿等保存:会計ソフトなどで最初から一貫して電子的に作成した帳簿・書類の保存。
- スキャナ保存:紙で受け取った契約書や請求書などをスキャンし、画像データで保存すること。これを行うには、タイムスタンプの付与や、検索要件(日付・金額・取引先で検索できることなど)の確保といった厳格なルールを守る必要があります。
- 電子取引:メール添付のPDFやWebサイトからダウンロードした請求書など、電子データでやり取りした取引情報を、電子データのまま保存すること。これは2024年1月から全事業者で義務化されており、紙に出力しての保存は原則として認められません。
重要なのは、「ただスキャンしてPCに保存しておけば良い」というわけではないということです。法律の要件を満たさない不適切なデジタル化保管は、税務調査などで証拠書類として認められないリスクがあります。そのため、電帳法に対応した文書管理システムの導入が、安全かつ効率的なデジタル化の近道となります。
紙からデジタル化保管へ!移行を成功させる4つのステップ

メリットは分かったけれど、何から手をつければいいのか分からない、という方も多いでしょう。ここでは、紙のデジタル化保管への移行をスムーズに進めるための具体的なステップを紹介します。
ステップ1:現状把握と目標設定
まずは自社の現状を正確に把握することから始めます。「どの部署に」「どんな種類の紙書類が」「どれくらいの量」あるのかを棚卸しします。その上で、「保管コストを年間300万円削減する」「請求書処理にかかる時間を50%短縮する」といった、定量的で具体的な目標を設定します。
ステップ2:対象書類の選定とルールの策定
いきなり全ての書類をデジタル化しようとすると、現場の負担が大きく失敗しがちです。最初は「経理部の請求書と領収書」や「営業部の契約書」など、効果が出やすく、範囲を限定できる書類からスモールスタートするのが成功の秘訣です。
同時に、デジタル化後の運用ルールを決めます。
- ファイル名の命名規則(例:「20240531_株式会社〇〇_請求書.pdf」)
- フォルダの階層構造(例:「取引先」→「年度」→「月」)
- 検索性を高めるためのタグ付けルール
このルール作りが、後の業務効率を大きく左右します。
ステップ3:ツールの選定と導入
策定したルールを効率的に運用し、法律(電帳法)の課題をクリアするために、最適なツール(文書管理システム)を選びます。選定のポイントは以下の通りです。
- JIIMA認証を取得しているか(電帳法対応の証明)
- クラウド型か、オンプレミス型か
- セキュリティ対策は万全か(暗号化、アクセス制限など)
- 操作は直感的で誰でも使いやすいか
- 自社の予算に見合う料金体系か
合わせて、スキャナや複合機などのハードウェアも準備します。
ステップ4:実行と継続的な改善
計画に沿って、過去の書類のスキャンと、新規に発生する書類のデジタル化運用を開始します。最初のうちは、現場から「使いにくい」「手間が増えた」といった声が上がるかもしれません。そうした意見に耳を傾け、運用ルールやシステムの設定を柔軟に見直していく継続的な改善活動が、デジタル化を組織に定着させる上で非常に重要です。
法律の課題をクリアするなら「スペシウム」

ここまで解説してきたように、紙のデジタル化保管を成功させるには、特にコストと法律という2大課題をクリアできるツールの選定が不可欠です。
そこでおすすめしたいのが、あなたの会社の書類管理を根本から変革する電帳法対応クラウド文書管理システム「スペシウム」です。
「スペシウム」は、紙の保管が抱えるあらゆる課題を解決し、デジタル化のメリットを最大限に引き出すために開発されました。
▼スペシウムが選ばれる理由
- 【法律の課題を解決】安心のJIIMA認証取得:電子帳簿保存法の複雑な要件に完全対応。スキャナ保存・電子取引の両方でJIIMA認証を取得しているため、法的な不安なくデジタル化を進められます。
- 【コストの課題を解決】月額0円からスタート可能:高機能ながら、驚きの低コストを実現。まずは無料で試せるフリープランがあり、リスクなくデジタル化保管を始められます。
- 【業務効率を最大化】クラウドでいつでもどこでも:インターネットがあれば、場所を選ばずに書類の検索・閲覧・承認が可能。テレワークや複数拠点での情報共有をスムーズにし、業務効率を飛躍的に向上させます。
- 【誰でも簡単操作】直感的なインターフェース:ITに不慣れな方でもマニュアル要らずで使えるシンプルな画面設計。全社導入もスムーズに進みます。
- 【鉄壁のセキュリティ】金融機関レベルの安全性:世界的なクラウド基盤であるAWSを採用し、通信の暗号化やIPアドレス制限、二要素認証など、万全のセキュリティ体制で企業の重要情報を守ります。
紙の保管コストに悩み、法対応に不安を感じているなら、まずは「スペシウム」で新時代の書類管理を体験してみてください。書類を探す時間から解放され、より創造的な仕事に集中できる環境が手に入ります。
まとめ:未来のための選択。紙の保管から、価値を生むデジタル化保管へ

今回は、紙の保管とデジタル化保管について、コストと法律の観点から徹底的に比較・解説しました。
従来の紙の保管は、目に見えるコストだけでなく、社員の時間を奪う「見えないコスト」の温床となっています。また、災害による紛失リスクや、年々厳しくなる法律への対応も大きな課題です。
一方、紙のデジタル化保管は、これらの課題をまとめて解決する強力なソリューションです。コスト削減や業務効率化はもちろん、セキュリティの強化、BCP対策、コンプライアンス遵守といった、企業の根幹を支えるガバナンス強化にも直結します。
そして、その成功の鍵は、電帳法などの法律に正しく対応できる信頼性の高いツールを選ぶことにあります。
紙の書類の保管方法を見直すことは、単なる業務改善ではありません。それは、変化の激しい時代を勝ち抜くための、未来への投資であり、新しい働き方を創造するための第一歩です。この記事が、その一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。