愛知県内でクリニックを経営されている院長先生、事務長様、このようなお悩みはありませんか?
- 増え続ける紙カルテで、バックヤードや倉庫がパンパンになっている…。
- 法律で定められた保管義務は知っているが、具体的にどうすればいいかわからない。
- 院内保管のセキュリティや、災害時の紛失リスクが心配だ。
- 外部倉庫や電子化を検討したいが、愛知県での費用相場や信頼できる業者が知りたい。
紙カルテの保管は、多くの医療機関が抱える共通の課題です。保管スペースの圧迫だけでなく、個人情報保護の観点からセキュリティ対策は必須であり、火災や水害といった不測の事態への備えも欠かせません。
この記事では、愛知県の医療機関様に向けて、法律で定められた紙カルテの保管義務といった基本から、具体的な3つの保管方法(院内・外部委託・電子化)のメリット・デメリット、気になる費用相場、そして信頼できる業者の選び方まで、網羅的に解説する完全ガイドです。
この記事を最後までお読みいただくことで、貴院に最適な紙カルテの保管方法が見つかり、スペース・コスト・セキュリティの課題を解決する具体的な一歩を踏み出せるはずです。
Contents
まずは確認!紙カルテ保管の法的義務と基本ルール

紙カルテの保管方法を検討する上で、大前提となるのが法律上の義務です。知らずに破ってしまうと罰則の対象となる可能性もあるため、必ず押さえておきましょう。
保管期間は「診療完結から5年間」
紙カルテ(診療録)の保管期間は、医師法によって明確に定められています。
医師法 第二十四条(診療録の記載及び保存)
医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。
2 前項の診療録であつて、病院又は診療所に勤務する医師のした診療に関するものは、その病院又は診療所の管理者において、その他の診療に関するものは、その医師において、五年間これを保存しなければならない。
歯科医師についても、歯科医師法で同様に5年間の保存義務が定められています。
ここで最も重要なポイントは、5年間の起算日です。これは「その患者の診療が完結した日」からカウントされます。継続的に通院している患者さんのカルテは、診療が続いている限り永久に保管が必要ということになります。
実務上は「10年保管」が推奨される理由
法律上の義務は5年ですが、多くの医療機関では実務上10年間保管するケースが一般的です。その理由は、会計検査や医療過誤などに関連する法律の「時効」が関係しています。
- 保険診療の診療報酬請求権の時効:診療日から3年
- 損害賠償請求権の時効:不法行為の時から20年
特に、医療訴訟のリスクを考慮した場合、5年間の保管では不十分なケースが想定されます。そのため、万が一の事態に備え、より長期の10年を目安に保管することが、クリニックの防衛的な観点からも推奨されています。
紙カルテの主な3つの保管方法|メリット・デメリットを徹底比較

愛知県内で紙カルテを保管する方法は、大きく分けて「院内保管」「外部倉庫での保管」「スキャニングによる電子化」の3つです。それぞれの特徴を理解し、貴院の状況に合わせて最適な方法を選びましょう。
保管方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
① 院内保管 | ・いつでもすぐに取り出せる ・外部委託コストがかからない |
・保管スペースが院内を圧迫する ・管理が煩雑になり、検索性が低い ・セキュリティや災害対策が不十分な場合がある |
② 外部倉庫での保管 | ・院内スペースを有効活用できる ・高いセキュリティ環境で保管 ・災害対策が万全 |
・月額の保管料や配送料がかかる ・急な閲覧に時間がかかる(翌日配送など) |
③ スキャニングによる電子化 | ・物理的な保管スペースが不要 ・検索性が飛躍的に向上する ・紛失・劣化リスクを低減できる |
・スキャニングに初期費用と時間がかかる ・法的要件を満たすシステムが必要 ・スキャン後の原本の取り扱いを決める必要がある |
① 院内保管
最も手軽な方法ですが、カルテが増え続けると限界が訪れます。
愛知県内でも、特に都市部のクリニックではスペース確保が大きな課題です。施錠できる書庫を用意し、関係者以外が立ち入れないようにする最低限のセキュリティ対策は必須です。また、スプリンクラーや耐火書庫の導入など、災害対策も考慮する必要がありますが、これらには相応のコストがかかります。
② 外部倉庫での保管
院内のスペース問題を解決する、最も現実的な選択肢の一つです。
特に、診療が完結して数年経ち、参照頻度が低くなったカルテの保管に適しています。愛知県内にも対応する専門業者は多く、月額費用を支払うことで、セキュリティと災害対策が万全な環境でカルテを預けることができます。必要な際はWebで依頼すれば配送してくれるため、利便性も確保されています。
③ スキャニングによる電子化
物理的な保管から解放され、業務効率を大幅に向上させる根本的な解決策です。
スキャナーで紙カルテをPDFなどのデータに変換し、サーバーやクラウドで保管します。最大のメリットは検索性です。患者名や日付で瞬時に必要な情報を見つけ出せるため、問い合わせ対応や過去の症例確認にかかる時間を劇的に短縮できます。
ただし、電子化したデータを法的な証拠能力を持つ「原本」として扱うには、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」や、電子帳簿保存法の要件(真実性・可視性の確保)を満たす必要があります。そのため、信頼できる電子化業者と、法的要件に対応した文書管理システムの選定が極めて重要になります。
【愛知県内】紙カルテ保管サービスの費用相場

保管方法を検討する上で、最も気になるのが費用です。ここでは、愛知県内での外部委託にかかる費用の目安をご紹介します。
外部倉庫の保管費用
一般的に、段ボール1箱あたりの月額料金で設定されています。
- 保管料(段ボール1箱あたり):月額 100円~500円程度
- 初期費用(預け入れ作業費など):1箱あたり 500円~1,000円程度
- 配送料(取り寄せ・返送):1回あたり 1,500円~3,000円程度
例えば、段ボール100箱を預けた場合、月額1万円~5万円程度の保管料がかかります。業者によって料金体系は様々なので、保管料だけでなく、出し入れの頻度を考慮してトータルコストで比較することが大切です。
スキャニング(電子化)費用
電子化の費用は、スキャニングする紙の枚数やサイズ、カラーかモノクロか、OCR(文字認識)処理の有無などによって変動します。
- A4モノクロスキャン:1枚あたり 3円~10円程度
- A4カラースキャン:1枚あたり 5円~20円程度
カルテのホチキスやクリップを外す作業、背表紙の裁断、インデックス情報の入力などを依頼すると、追加料金が発生します。初期投資は大きくなりますが、一度電子化すれば保管コストはかからなくなり、検索性向上による業務効率化という大きなリターンが期待できます。
愛知県で信頼できる紙カルテ保管・電子化業者の選び方

愛知県には、全国展開の大手から地元に根差した企業まで、多くの書類保管・電子化業者が存在します。大切な患者情報を預ける業者選びは慎重に行う必要があります。以下の5つのポイントを必ず確認しましょう。
- セキュリティ体制は万全か?
個人情報の塊であるカルテを預ける上で、最も重要な項目です。ISO27001(ISMS)やプライバシーマークを取得しているかは、信頼性を測る一つの基準になります。監視カメラ、入退室管理、警備システムなど、物理的なセキュリティ対策も確認しましょう。 - 災害対策は施されているか?
地震や水害のリスクを考慮し、耐震・免震構造の建物か、ハザードマップで浸水エリアに該当しない立地かなどを確認することが重要です。消火設備や自家発電設備の有無もチェックポイントです。 - 医療情報の取り扱い実績は豊富か?
カルテをはじめとする医療情報の取り扱いには、特有のノウハウが必要です。医療機関との取引実績が豊富な業者であれば、安心して任せることができます。 - 料金体系は明確か?
月額保管料の他に、どのような作業で追加料金が発生するのかを事前に確認しましょう。「基本料金は安いが、オプションが高額だった」ということがないよう、複数の業者から見積もりを取り、サービス内容と料金をしっかり比較検討することが大切です。 - サポート体制は充実しているか?
急な問い合わせやトラブルの際に、迅速に対応してくれるサポート体制があるかどうかも重要です。特に愛知県内に営業拠点やサポートデスクがある業者を選ぶと、いざという時に安心です。
紙カルテから電子化へ!将来を見据えたDXの第一歩

ここまで様々な保管方法をご紹介してきましたが、長期的な視点で見ると、紙カルテの電子化は避けて通れない道と言えるでしょう。
電子化は、単に保管スペースの問題を解決するだけではありません。
- 業務効率の劇的な向上:必要な情報を瞬時に検索・閲覧でき、スタッフの業務負担を大幅に軽減します。
- 情報共有の円滑化:院内のどこからでもセキュアに情報へアクセスでき、カンファレンスや申し送りがスムーズになります。
- BCP(事業継続計画)対策:データをバックアップしておくことで、万が一の災害時にも大切な診療情報を失うリスクを最小限に抑えられます。
- 将来の電子カルテ導入への布石:過去の紙カルテをデータ化しておくことで、将来的な電子カルテシステムへの移行がスムーズに進みます。
愛知県内でも、業務効率化や働き方改革を目的として、紙媒体の文書管理から脱却し、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するクリニックが増えています。紙カルテの電子化は、そのための確実な第一歩となるのです。
まとめ:貴院に最適なカルテ保管方法を見つけよう

今回は、愛知県内の医療機関様に向けて、紙カルテの保管方法を網羅的に解説しました。
【本記事のポイント】
- 法的義務:紙カルテの保管義務は「診療完結から5年」。ただし実務上は10年保管が推奨される。
- 3つの保管方法:「院内保管」は手軽だが限界がある。「外部倉庫」は省スペースと安全性を両立。「電子化」は業務効率を根本から改善する。
- 費用相場:外部倉庫は段ボール1箱あたり月額100円~、電子化はA4モノクロ1枚3円~が目安。
- 業者選び:セキュリティ、災害対策、実績、料金、サポート体制の5つのポイントで比較検討することが重要。
- 将来性:長期的な視点では、業務効率化やBCP対策に繋がる「電子化」が最もメリットが大きい。
まずは、「現在アクティブなカルテは院内で、参照頻度の低い過去のカルテは外部倉庫へ」といったハイブリッドな運用から始めてみるのも良いでしょう。そして、その先のステップとして、本格的な電子化を見据えてみてはいかがでしょうか。
紙カルテの電子化を検討する際、スキャンした後のデータを「どのように管理・運用していくか」が非常に重要になります。そこで最後に、電子帳簿保存法にも対応したクラウド文書管理システムをご紹介します。
紙カルテの電子化後も安心!電帳法対応クラウド文書管理システム「スペシウム」
「スペシウム」は、改正電子帳簿保存法に対応し、カルテをはじめとするあらゆる文書の保管・管理をセキュアかつ効率的に行えるクラウドサービスです。
【スペシウムが選ばれる理由】
- 法的要件に準拠:電子帳簿保存法の「真実性の確保」と「可視性の確保」の要件を満たしており、スキャンしたカルテを安心して長期保存できます。
- AI-OCRで高精度にデータ化:AI技術を活用したOCR機能で、手書きの文字や複雑な様式の文書も高精度に読み取り、テキストデータ化。検索性が飛躍的に向上します。
- 強力な検索機能:ファイル名だけでなく、文書内の文字列を対象にした「全文検索」が可能。必要な情報を瞬時に見つけ出せます。
- 万全のセキュリティ:通信やファイルの暗号化、IPアドレス制限、操作ログの記録など、医療情報を守るための強固なセキュリティ機能を備えています。
- シンプルな操作性:誰でも直感的に使えるシンプルなインターフェースで、導入後すぐに院内全体で活用できます。
紙カルテの電子化は、スキャンして終わりではありません。その後の管理・運用を見据えたシステム選びが成功のカギを握ります。「スペシウム」は、愛知県のクリニック様が抱える文書管理の課題を解決し、DX推進を強力にサポートします。
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