Contents
Dropboxとは?初心者にもわかる基本解説
「この資料、どうやって共有しよう?」「USBメモリを持ち歩くのは紛失が怖いし、メールで送るにはファイルサイズが大きすぎる…」
仕事やプライベートで、ファイルの扱いに困った経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
そんな悩みを解決してくれるのが、今回ご紹介する**Dropbox(ドロップボックス)**です。
Dropboxとは、一言でいうと「インターネット上(クラウド)にデータを保管できるサービス」、いわゆるクラウドストレージの代表格です。
パソコンやスマートフォンに保存している写真、動画、仕事の書類などのデジタルデータを、Dropboxというインターネット上の保管場所にアップロードすることで、以下のようなことが可能になります。
- ファイル・データの保管:パソコンの容量を気にせず、大切なデータを安全に保存できます。
- ファイル・データの共有:大容量のファイルでも、メールに添付せずURLリンクひとつで簡単に共有できます。
- ファイル・データの同期:会社のパソコンで作成した資料を、自宅のパソコンや外出先のスマートフォンで編集・閲覧できます。
物理的な記録媒体(USBメモリや外付けHDD)を持ち運ぶ必要がなく、インターネット環境さえあれば、いつでもどこでも自分のデータにアクセスできるのが最大の魅力です。この記事では、そんな便利なDropboxの基本から使い方、料金プラン、そしてビジネス利用における注意点まで、徹底的に解説していきます。
Dropboxの主なメリット|なぜ多くの人に選ばれるのか?

Dropboxが世界中で多くのユーザーに利用されているのには、明確な理由があります。ここでは、Dropboxが持つ主なメリットを5つご紹介します。
① デバイスを問わないファイルアクセス
Dropboxの大きなメリットは、マルチデバイス対応であることです。
WindowsやMacといったパソコンはもちろん、iPhoneやAndroidなどのスマートフォン、iPadなどのタブレットにも専用アプリが提供されています。
例えば、会社のデスクトップPCで作成した企画書をDropboxに保存しておけば、移動中の電車内でスマートフォンから内容を確認し、カフェでタブレットを使って修正を加える、といった柔軟な働き方が可能になります。どのデバイスからアクセスしても、ファイルは常に同じ最新の状態が保たれるため、「古いバージョンのファイルで作業してしまった…」というミスを防ぐことができます。
② 簡単操作で直感的なファイル共有
Dropboxは、ファイルの共有機能が非常にシンプルで分かりやすい点も魅力です。
共有したいファイルやフォルダを選択し、「共有」ボタンを押すだけで、共有用のリンクを生成できます。このリンクをメールやチャットで相手に送るだけで、相手はDropboxアカウントを持っていなくてもファイルにアクセスできます。
また、特定のメンバーと継続的にファイルをやり取りする場合は、「共有フォルダ」を作成するのが便利です。プロジェクトメンバーを共有フォルダに招待すれば、全員が常に最新のファイル群にアクセスし、共同で編集作業を進めることができます。閲覧のみ、編集可能といった権限設定も細かく行えるため、セキュリティ面でも安心です。
③ ファイルの自動同期機能
Dropboxの「同期」機能は、その利便性を支える中核的な機能です。
パソコンに専用のデスクトップアプリをインストールすると、パソコン内に「Dropbox」という名前の特別なフォルダが作成されます。このフォルダに入れたファイルやデータは、自動的にインターネット上のDropbox(クラウド)にもコピーされます。
これにより、ユーザーは「アップロード」という作業を意識する必要がほとんどありません。いつも通りパソコンのフォルダにファイルを保存するだけで、自動的にクラウドにもバックアップされ、他のデバイスからもアクセスできるようになるのです。このシームレスな体験が、多くのユーザーを惹きつけています。
④ 誤って削除しても安心!ファイルの復元機能
「重要なファイルを間違えて削除してしまった!」という冷や汗をかくような経験はありませんか?
Dropboxには、削除したファイルやフォルダを一定期間元に戻せる「復元機能」が備わっています。さらに、ファイルが上書き保存された場合でも、以前のバージョンに戻す「バージョン履歴」機能もあります。
これにより、ヒューマンエラーによるデータ損失のリスクを大幅に軽減できます。特にチームでファイルを共同編集している際には、誰かが誤ってファイルを変更・削除してしまっても、すぐに元の状態に戻せるため、安心して作業を進めることができます。
※復元できる期間は契約プランによって異なります。
⑤ 豊富な連携アプリ
Dropboxは、単なるファイル置き場としてだけでなく、様々な外部アプリケーションと連携することで、その価値をさらに高めます。
例えば、
- Slack:チャットツール上でDropbox内のファイルを直接共有・プレビューできます。
- Microsoft 365:WordやExcelのファイルをDropbox上で直接編集し、保存できます。
- Trello / Asana:プロジェクト管理ツール上で、タスクに関連するファイルをDropboxから直接添付できます。
- Zoom:Web会議の録画データを自動的にDropboxに保存できます。
このように、普段使っているビジネスツールとシームレスに連携させることで、業務フローを中断することなく、効率的に作業を進めることが可能です。
Dropboxの基本的な使い方|アカウント作成からファイル共有まで

ここからは、実際にDropboxを使い始めるための具体的な手順を、4つのステップに分けて解説します。操作は非常に簡単なので、ぜひ一緒に試してみてください。
ステップ1:アカウントの作成
まずはDropboxの公式サイトにアクセスし、アカウントを作成します。
- Dropboxの公式サイトへアクセスします。
- 氏名、メールアドレス、パスワードを入力し、利用規約に同意して「登録する」ボタンをクリックします。
- 登録したメールアドレスに確認メールが届くので、メール内のリンクをクリックして認証を完了させます。
たったこれだけで、無料プラン(Dropbox Basic)のアカウント作成は完了です。
ステップ2:アプリのインストール
次に、お使いのデバイスにDropboxアプリをインストールしましょう。ブラウザ上でも利用できますが、アプリをインストールすることで、前述した「自動同期」機能が使えるようになり、格段に便利になります。
- デスクトップアプリ:公式サイトからインストーラーをダウンロードし、画面の指示に従ってインストールします。インストールが完了すると、PC内にDropboxフォルダが作成されます。
- モバイルアプリ:App Store(iPhone/iPad)またはGoogle Play ストア(Android)で「Dropbox」と検索し、アプリをインストールします。
ステップ3:ファイルのアップロードと同期
ファイルをDropboxに保存(アップロード)する方法はいくつかあります。
- デスクトップアプリの場合:PC内に作成された「Dropbox」フォルダに、保存したいファイルやフォルダをドラッグ&ドロップするだけです。これだけで自動的に同期が開始されます。
- ブラウザの場合:Dropboxのサイトにログインし、ファイルをアップロードしたい場所にドラッグ&ドロップするか、「アップロード」ボタンからファイルを選択します。
- モバイルアプリの場合:アプリ内の「+」ボタンなどから、スマートフォン内にある写真やファイルをアップロードできます。
ステップ4:ファイルの共有方法
Dropboxの便利な共有機能を使ってみましょう。共有方法には主に2種類あります。
① リンクで共有する
特定のファイルやフォルダを、相手に一時的に見せたい場合に便利な方法です。
- 共有したいファイル(またはフォルダ)を選択します。
- 「共有」→「リンクを作成」といった手順で進みます。
- 生成されたURLをコピーし、メールやチャットで相手に送ります。
リンクを受け取った相手は、Dropboxアカウントがなくても内容を閲覧・ダウンロードできます。有料プランでは、リンクにパスワードを設定したり、有効期限を設けたりすることも可能です。
② 共有フォルダに招待する
チームメンバーなど、特定の相手と継続的にファイルを共同編集したい場合に最適な方法です。
- 共有したいフォルダを選択(または新規作成)します。
- 「共有」を選択し、招待したい相手のメールアドレスを入力します。
- 相手に与える権限(「編集可能」または「閲覧のみ」)を選択して招待します。
招待された相手は、自分のDropbox内にその共有フォルダが表示され、設定された権限の範囲でファイルの閲覧や編集ができるようになります。
Dropboxの料金プランを比較解説|無料版と有料版の違いは?

Dropboxには、無料プランから大規模な組織向けの法人プランまで、様々な料金プランが用意されています。ここでは、主なプランを「個人向け」と「法人向け」に分けて、その違いを分かりやすく解説します。
※料金や容量は変更される可能性があるため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。
個人向けプラン
個人やフリーランスでの利用に適したプランです。
プラン名 | 対象ユーザー | ストレージ容量 | 主な特徴 |
---|---|---|---|
Basic | 個人 | 2GB | 無料。基本的な機能はすべて利用可能。まずはお試しで使ってみたい方向け。 |
Plus | 個人 | 2TB (2,000GB) | 大容量。高画質の写真や動画を大量に保存したい方向け。 |
Family | 家族 (最大6人) | 2TB (共有) | 家族で容量を分け合える。各メンバーはプライベートなアカウントを保持可能。 |
Professional | フリーランス・個人事業主 | 3TB (3,000GB) | Plusの機能に加え、高度な共有管理(パスワード設定、有効期限など)が可能。 |
法人(ビジネス)向けプラン
チームでの利用や、セキュリティ、管理機能を重視する企業向けのプランです。
プラン名 | 対象ユーザー | ストレージ容量 | 主な特徴 |
---|---|---|---|
Standard | 小規模チーム (3人以上) | 5TB (チームで共有) | 管理者機能、詳細なログ監視、180日間のファイル復元など、ビジネスに必要な基本機能が揃う。 |
Advanced | 大規模チーム・組織 | 必要に応じた容量 | 高度なセキュリティ機能(デバイス承認など)、階層型管理者、シングルサインオン(SSO)連携などに対応。 |
自分に合ったプランの選び方
- 個人で写真や文書を少し保存したい:まずは無料の「Basic」から。
- フリーランスでクライアントと大容量ファイルをやり取りする:「Professional」が最適。
- 5人のチームでプロジェクトファイルを管理したい:「Standard」がおすすめ。
- 全社的に導入し、セキュリティを強化したい:「Advanced」を検討。
このように、利用目的や規模に応じて最適なプランを選択することが重要です。
ビジネスでDropboxを利用する際の注意点

Dropboxは非常に便利なツールですが、ビジネス、特に企業として本格的に文書管理を行う上では、いくつかの注意点や限界も存在します。
① セキュリティポリシーの統一が難しい
Dropboxは手軽にファイル共有できる反面、組織としての管理が行き届きにくい側面があります。
誰が、どのファイルに、いつアクセスしたのかを厳密に管理したり、役職に応じた複雑なアクセス権限を設定したりするのは、標準機能だけでは限界があります。従業員が個人の判断で重要なファイルを外部に共有してしまうといった、情報漏洩のリスクも考慮しなければなりません。
② 容量とコストの管理
ビジネスプランはユーザー数に応じた課金体系が基本です。従業員が増えるほどコストは増大します。また、ストレージ容量も有限であるため、不要になったファイルを定期的に整理・削除する運用ルールを設けなければ、すぐに容量が逼迫し、追加コストが発生する可能性があります。
③ 【重要】電子帳簿保存法(電帳法)への対応
近年、ビジネスにおける文書管理で最も重要視されているのが**「電子帳簿保存法(電帳法)」**への対応です。
電帳法は、国税関係帳簿書類(請求書、領収書、契約書など)を電子データで保存するためのルールを定めた法律です。この法律の要件を満たさずに電子データを保存していると、税務調査で追徴課税などのペナルティを受けるリスクがあります。
そして、Dropboxのような汎用的なクラウドストレージ単体では、この電帳法の要件を完全に満たすことは非常に困難です。
例えば、電帳法では以下のような要件が求められます。
- 真実性の確保:訂正や削除の履歴が確認できること、またはタイムスタンプが付与されていること。
- 可視性の確保:「取引年月日」「取引金額」「取引先」で検索できること。
Dropboxはファイルのバージョン履歴を保持できますが、電帳法が求める「訂正・削除の履歴」としては不十分な場合があります。また、「取引金額」や「取引先」といった情報でファイルを横断的に検索する機能は標準では備わっていません。
単にファイルを保存するだけならDropboxでも可能ですが、法的な要件を満たした「証憑(しょうひょう)管理」を行うには、機能が不足しているのが実情です。
電帳法対応なら専用システムが最適解!クラウド文書管理システム「スペシウム」の紹介

では、請求書や契約書などの重要書類を、電帳法に対応した形で安全に管理するにはどうすればよいのでしょうか。
その答えが、電帳法対応に特化したクラウド文書管理システムを導入することです。
そこでおすすめしたいのが、弊社が提供する電帳法対応クラウド文書管理システム**「スペシウム」**です。
→ 電帳法対応クラウド文書管理システム「スペシウム」公式サイトはこちら
なぜDropboxだけでは不十分なのか?
改めて整理すると、Dropboxはファイル共有・同期には非常に優れたツールですが、電帳法が求める厳格な文書管理の観点では、以下のような課題があります。
- 検索要件(取引先・金額など)を満たせない
- 訂正削除の履歴管理が不十分
- 社内規定に沿った承認フローや権限管理が複雑
- 文書の保存期間に応じた自動破棄などのライフサイクル管理ができない
これらの課題を、運用ルールや手作業でカバーしようとすると、管理が煩雑になり、ヒューマンエラーのリスクも高まります。
「スペシウム」なら電帳法の課題をすべて解決
「スペシウム」は、これらの課題を解決し、企業の文書管理を根本から効率化・適正化するために開発されたシステムです。
- 【電帳法の全保存区分に対応】電子取引はもちろん、紙で受け取った書類をスキャンして保存する「スキャナ保存」にも完全対応。あらゆる国税関係書類を一元管理できます。
- 【高度な検索機能】アップロードした書類の「取引先」「日付」「金額」などの情報をAI-OCRで自動読み取り。電帳法の検索要件を完全に満たし、必要な書類を瞬時に見つけ出します。
- 【証憑のライフサイクル管理】法定保存期間に基づいた文書の保存・管理から、期間を過ぎた文書の自動廃棄まで、文書のライフサイクル全体をシステムで管理し、コンプライアンスを強化します。
- 【万全のセキュリティと内部統制】ユーザーごとに細やかなアクセス権限を設定できるほか、すべての操作ログを記録。不正な閲覧や改ざんを防ぎ、強固な内部統制を実現します。
「以前はDropboxやファイルサーバーで請求書をバラバラに管理しており、月末の経理処理や監査対応のたびに書類探しに膨大な時間がかかっていました。『スペシウム』を導入してからは、検索すればすぐに見つかるようになり、業務効率が劇的に改善。何より、電帳法対応への漠然とした不安が解消されたのが一番の収穫です。」(導入企業様の声)
Dropboxとスペシウムの役割の違いをまとめると、以下のようになります。
機能 | Dropbox | スペシウム |
---|---|---|
ファイル共有・同期 | ◎ | ○ |
電帳法対応 | △ (単体では困難) | ◎ (完全対応) |
検索機能(取引先・金額など) | × | ◎ (AI-OCRで自動化) |
証憑のライフサイクル管理 | × | ◎ |
内部統制・監査対応 | △ | ◎ |
もし、あなたの会社が請求書や領収書、契約書といった重要書類の管理にDropboxを利用しているのであれば、一度「スペシウム」で何が解決できるのか、ぜひ詳細をご確認ください。
バックオフィスのDXとペーパーレス化を実現!
電帳法対応はもちろん、経理業務全体の効率化をご支援します。
「スペシウム」の詳しい機能を見てみる
まとめ

今回は、クラウドストレージの定番である「Dropbox(ドロップボックス)」について、その基本的な概念からメリット、使い方、料金プランまでを詳しく解説しました。
【本記事のまとめ】
- Dropboxは、インターネット上にファイルを保存・共有・同期できる便利なクラウドストレージサービス。
- マルチデバイス対応で、どこからでもファイルにアクセスでき、直感的な操作で簡単にファイル共有が可能。
- 無料プランから法人向けプランまで幅広く、用途に合わせて選べる。
- ただし、ファイル共有には非常に便利である一方、ビジネスで求められる厳格な文書管理、特に電子帳簿保存法への対応には機能が不十分。
- 請求書や契約書などの国税関係書類を法要件に則って管理するには、「スペシウム」のような電帳法対応に特化した専用システムの導入が最適解。
Dropboxの利便性を活かしつつ、法対応や内部統制が求められる領域では、専用のシステムを併用・移行することが、これからの企業経営において非常に重要になります。
この記事が、あなたのファイル管理・文書管理の最適化の一助となれば幸いです。